道経筆録 記事一覧
善い店舗文化(企業文化)を創る
2015年9月28日
『道経筆録』
善い店舗文化(企業文化)を創る WL代表 江口歳春
私は会社組織のリーダーである社長の主な役割は5項目と認識しておりますが、
より大きく区分すれば3つの柱と考えております。
1.経営戦略立案(企業の方向性及び優れた戦略を立案する)
2.組織風土の醸成(善い社風文化を育む)
3.適切な経営管理(仕組みルールを構築する)
の3つの柱です。
これらは、部門部署や店舗の責任者リーダーにおいても同様の要素であると考えます。
店舗のリーダーである店長は、
1.自店舗のあるべき姿勢(店舗理念)や店長の目標や信念、思いを全員に発信する。
2.店舗の仲間が働く環境整備を行い、善い職場風土創りに努める。
3.マニュアル遵守やハウスルールを守る規律管理体制を整備する。
つまり責任者として課題の本筋は大きく変わらないのです。
今回は、先日の専門家診断(MSR)結果を踏まえて、
組織風土の醸成である店舗文化の創造について考えてみたいと思います。
本部はお客様のより高いCS提供向上を図るために、仕込み方法、盛付け、レシピ、メニュー等の
見直し改善を随時推し進めております。
店舗においては、これまでの慣れている業務を変更することは新たなパワーが必要となり、
周知や指導も考慮すれば時間も費用も発生します。
各種マニュアル改訂は、責任者を通じて店長よりスタッフの皆さんに周知浸透が行われますが、マニュアルが
改訂されないでそのままになっていることや、時間の経過と共に自然消滅してしまっている場合もあります。
QSCチェック表の活用、店舗会議やPN評価面談実施など、一度は取り組んではみたものの今は誰も行っていない、
中にはそんな店舗様もあります。
ところで、店舗環境の向上には5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底はとても重要です。
その中でも「躾」は一番難しいといわれており、これは一度やったら終わりではなく、やり続けることが大変だからです。
「躾」とは整理・整頓・清潔・清掃を継続することなのです。
新しいことを始めるのは簡単ですが続けることが難しい。そして取り組みが続かない。
緊急性の高い目の前の仕事に追われている部下スタッフに、これらの運用を任せっきりになってしまうと、
大半は続かず終わってしまうものです。BL長も店長も同様ではないでしょうか。
何か新しいものをやり始めようとした時にこそ、その店舗の文化(企業文化)が顕著に表れるタイミングだと思います。
何をやっても結局続かないのも、一度決めたら皆でやりきるのも、それぞれの店舗文化なのです。
今回の専門家診断では、遺憾ながら一部のマニュアル遵守が励行されていない店舗が多くみられました。
ラーメンを提供する際には、丼のロゴマークは、お客様の正面になる様に配膳されなければなりません。
メンマは時計の8時の位置に、味玉は2時の位置にセットする。
餃子の提供温度など、ルール規定を遵守する取り組みも全てその店舗の文化なのです。
この文化を創るのは店舗スタッフ全員ですが、最大の鍵を握るのはリーダーの取り組み姿勢であり、
店長の理念、信念が店舗の文化を創るのです。
大きく捉えるとチェーン全体活動そのものがWLの企業文化であり、良い面と悪い面がありますが、
現実が企業文化そのものと言えます。
ですので、本部責任者としては、マニュアルや研修プログラムなどの仕組みは、「中身が充実しているか」
よりも、「やり続けられる物になっているかどうか」の視点で構築することが重要です。
WLブランド店舗は少しずつ全国そして海外に増加しておりますが、
善い店舗風土組織の創造ができなければ、悪い文化が根付きます。
マネジメントとは直訳すれば管理と訳しますが、教育訓練等を通じて組織は
動くものであり、私は文化を創造するものであると考えます。
最後に、決められたルールや約束期日を守ることも、組織の風土であり文化となります。
正しい言動を遵守する善い店舗文化、企業文化は、ひとりひとりの思いから創造されるのです。
そして、意識的に善い文化創造に努める言動を行うことにより、自己の人格形成向上に繫がり、
人間力研鑽をもたらすものと考えます。
私もリーダーとして、善い企業風土文化の構築に努めて参りますので、店舗組織で働く仲間として、
善い店舗文化の創造に力を入れていただければと思います。
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新年度スタート! 第24期経営計画発表決起会
2015年7月24日
『道経筆録』
新年度スタート! 第24期経営計画発表決起会 WL代表 江口歳春
5月26日、グランドプリンスホテル広島で、恒例の新年度経営計画発表決起会を開催しました。
参加者は、WLグループの正社員及びエリア社員、社外においては金融機関、顧問弁護士、顧問税理士、協力取引業者様、
学校関係、来年入社候補学生様にもご参加頂き、夢と感動ある新年度スタートを切りました。
最初に前年23期の社員表彰を行い、私から受賞者に大盤の盾を授与致しました。
感動と涙が溢れた熱い檀上となり、最後の優秀新人社員表彰の坂田君の時には
場内席において光る涙を拭く光景が多数見られ感動共有できました。
受賞社員の皆さん本当におめでとうございます。
(6月25日には改めて感謝の気持ちを伝えるため、高級割烹にてご馳走による祝意慰労招待を行いました。)
表彰後の休憩を挟み、私からWLで最も大切にしている経営理念、遵奉精神等、価値観について、
しっかりと理解いただくため1時間を使ってお伝えし、その後、第24期事業大綱方針、中期経営ビジョン
会社ルール遵守の重要性についてお話しさせていただきました。
第二部では、社外のお客様も交えて懇親パーティで友好を確認し、
最後はWL社員による肩組みでWL社歌を合唱し感動の渦で終えました。
私は中期経営計画書を第3期より策定し正社員(当時4名)に、経営理念、戦略方針、
3年後の想定人事設計図を交付し中期ビジョンを熱く語っておりました。
店舗は2店舗しかありませんでした(皆賀店と祇園新道店)が、当時も「経営理念追及、
QSC向上、そして大きな夢に挑戦し成就しよう」と語りかけていたのを、今でも覚えております。
第10期からはホテルでの開催とし、初日に金融機関はじめご来賓の方々をお招きしての会議実施、
社員は宿泊にて1泊2日の会議という今の形ができあがり、そして今回の第24期の経営計画社長方針書は、
第1~3部構成として「理念哲学・中期経営計画・遵守規程」に改め明解に改訂しました。
なぜ、社員が4名の時から中期経営計画書を作成しているのか、
そして高額費用をかけてまでホテルで新年度会議を開催し宿泊を行なっているのでしょうか。
私は、人生とは本人が気づいていなくても自己創造している現実があり、自己創造できるものであると考えております。
人生は自己が真に願望し心に描いたことが、やがて実現していくものと思います。
ですから最も重要なことは、自分の人生をどう創造するのか、人生における考え方と行き先について、
しっかりと考え明確にすることで人生は必ずその様に進んで行くのです。
人は心に思っていないことは言動しません。いや、できません。
日々言動の繰り返しによって結果的には人生を創造しているのです。
ですから人生思念、会社では経営理念が最も重要になるのです。
会社が大事にしていることを明確にして本気で追求することで、
時間はかかりますが少しずつ会社も社長の思う様に変わっていくのです。
今の自分自身の境遇も、全て過去において自分の思いを言動にしてきた結果ではないでしょうか。
人生は心のあり方を、心に思っていることが必ず表面化されていくのです。
一度しかない人生です。何を思いどんな人生にするのか、人生の絵図を描くのは自由でありお金もかかりません。
人生は平等なのです。
「もっとお金を稼ぎたい・・・」本気で考えれば方法やチャンスは目の前にありますが、
本気の思念でなく単なる願望だから手に入らないのです。
お金は非常に大事です。ですがお金財産を追求し蓄財するためだけでは本気で働けないのです。
そのことに気づいていないからお金も逃げていくのです。
前向きに捉えるか、悲観的に捉えるか。今の境遇を会社や他人の責任にするのか。
仕事で何を得るのか、それを明確にすることが人生の目的であり経営理念そのものです。
そしてそれを成すためには日々の言動習慣が決めてになるので、
日々実践行動指針として、遵奉精神WL憲章10カ条を制定しているのです。
人生において最も重要と位置づけているから、新年度会議を特別にホテルで開催し、
社長から経営理念の重要性、追求するための経営戦略を改めて伝える場として、経営計画書を策定し配布しているのです。
WLは「道徳と経済の一体」経営を追求し、社員を少しでも真の幸福に導き高め、そして地域社会に貢献するために存在しているのです。
良い会社とは、お客様に良い商品サービスを提供し喜んでいただき社会貢献し、
そして働く社員を物心両面で幸福に導くことができ、高い利益計上できる会社だと考えております。
社員の皆さんも、新年度に際しもう一度誠実な自己実現に向けて、
進むべき方向性、理念を明確にする良い機会にしていただければと幸いです。
本年も宜しくお願い申しあげます。
ウィズリンクグループ 代表 江口歳春
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人事異動評価の正しい認識
2015年5月28日
『道経筆録』
新年度~人事異動評価の正しい認識~ WL代表 江口歳春
皆様のお陰様で第24期新年度を迎えることができました。
心より社員の皆様、加盟店様、お客様、協力業者様のお陰様でありお礼と感謝を申しあげます。
今回は新年度に際して評価や人事異動についてお話します。
WLでは半期を終えると正社員の個人評価を行ないます。
そしてその評価結果をベースに一部人事異動も行ないます。
会社リーダーである私は理念経営を業務推進の指針とし、その追求に向け経営戦略を立案し指示を行ないます。
必要戦略は多種となりますが、重要戦略の柱に人事戦略があると考えております。
店舗運営においても同様でありCS向上のためには、何よりも人事戦略が重要となります。
誰に何を任せるのか、計画的な人材育成をどうするのか、会社リーダーや店長の決定に対して実行推進するのは、全て人ですから人事戦略は組織の要諦となるのです。
皆さんの関心の高い評価と人事異動について私の見解結論を先に述べます。
「上司からの評価は正当ではなく、人事は不公正である」と理解し組織として受け入れなければならないものと認識することです。
私は過去にサラリーマン生活を約14年間過ごしましたので、多くの評価や人事異動を経験しました。
その中で上司と部下の評価結果は決して一致しないものであると悟りました。
それば双方の過去の経験やスキル、思考力と将来展望する点が相違するからです。
小学生が考えるものと中学生や大学生のレベルが相違するのと同じです。
人は自分の知識や体験、思考の中でしか判断することはできないのですから、評価結果は自身と上司採点とは相違することが当たり前なのです。
店長に気づくことが新人PNさんには気づかないのは当たり前なのであり、リーダーの気づきと部下の気づきは乖離が存在するのです。
ですから業務評価は他人上司が行なうものであり、上司からの評価結果を謙虚に認めることが大事になるのです。
納得できなかったとしても評価とはそういうものなのです。
自身の頑張り取り組んだことは十分に理解できますが、同時に他の社員も同様に自身としては頑張ったと自負しているのです。
リーダーは成果に順位をつけてみるので、どうしても部下の自身評価とは相違します。
人は誰でも自身を保護し甘く評価するものであり、他人には厳しく評価する傾向にあるのは否めません。
それぞれが、これまでの人生における価値観を持っているので、その色メガネを通して世の中を見識しているのです。
色メガネをかけ換えれば違う視野が広がり見える景色は変わることをパラダイムシフトと呼び、自分の見識や世相観を変えることです。
時には上司の評価結果を謙虚に受けとめ反省し思考を少し変えることも、自分自身を成長させるためには必要不可欠です。
組織や世間の評価は、他人が勝手な判断で行なっているのです。
もう一方では自身に対する自己評価も非常に大事です。
この評価は簡単に行なうことができます。
他人と比較しない評価です。
相対評価とは他人と比較すること(社会や組織)ですが、自己評価は、自身の過去や前年との比較を行なうことです。
前年の自分と比較し目標化及び約束したことがどれだけ実行されたか。
前年と比較してスキルアップができたか否かを評価し自身を褒めてあげることができれば成長の証です。
反省が多ければ上司の評価も正しいかもしれません。
もう一つ評価に対して非常に重要なことがあります。
先に「上司からの評価は正当ではなく、人事は不公正である」とお話しましたが、仮に評価が間違っていたり、不当であったとしても「長い人生においては、やがては正当な評価が下される」ことです。
間違いなくでこぼこ評価の延長線上には、正当な評価結果が訪れるのです。
私は、常に自分の人生は自己責任であると認識し伝えております。
結論として自分の蒔いた種は自分が刈り取らなければならないし、蒔いた種は必ずは生えるのですから、人生の評価はいずれ正等な結果として表れるのです。
ですから日々誠実に前年や先月以上の努力を真摯に行い自己修養に努めることこそが肝要なのではないでしょうか。
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リーダーに必要な現実把握力
2015年3月5日
『道経筆録』
~リーダーに必要な現実把握力~ WL代表 江口歳春
今年も早いものであっという間に3月を迎えました。
この時節、多くの店舗では学生パートナーさんの卒業や新規採用に伴い、店長や責任者異動が発生します。
店舗責任者の店長や時間帯責任者、また本社における部門や部署責任者の皆さんにとって、
職場リーダーとして、1番必要なスキル(能力)をしっかりと認識することが大事です。
リーダーには様々なスキルが必要となりますが、1番必要なスキルは何でしょうか。
先日もある責任者に質問を投げかけた際に・・「リーダーシップ力と決断力」と答える社員がいました。
もちろん私もリーダーシップ力は非常に重要なスキルだとは思いますが、1番だとは考えていません。
1番重要なのは「現実把握力」だと思っています。
どんなにリーダーシップ力や決断力があっても、現実を間違って把握してしまったら、誤った判断でリードしてしまうことになるからです。
例えば、店長の不在時に発生したトラブルにおいて正確な情報ではなく間違った報告を現実として受けとめたり、
本部でメニュー改訂やオペレーション見直しを行う責任者が、店舗で発生している現実の課題把握を間違って認識していたりすると、
メニュー改訂や製作をすれば大変なミスに繋がります。会社のリーダーである社長は部門責任者からの報告を受けて戦略や戦術を決定しますが、
誤った現実を把握すれば重大なミスを招き時には会社が危険な状態になりかねません。
つまり、いくら果敢に決断しリードしても、間違った現実把握に基づいていれば、
間違った決断を行ない、間違った結果を招いてしまうわけです。
決断力を発揮する前にまず大切なのは、現実を正しく把握することです。
何か事態が発生するには、必ず原因があります。
その原因を正しく掴めさえすれば、解決策も出てきます。
つまり現実を正しく把握出来れば、正しい決断も自ら出来るようになるのです。
例えば「原価率が高い」という現実には必ず原因が存在しますが、
原因究明の前に、現実をしっかり把握し分析することで原因が究明出来ます。
現実を正しく把握する為には、考えられる様々な要因を整理分析した上で、本当の原因を探り出さなくてはいけません。
責任者が、ある業務をメンバーのうちの誰に担当させるか考えるときにも、
個々のメンバーのスキルや経験、得意不得意といった「現実」を把握出来ていなければ、適切な仕事の配置が出来なくなります。
店舗開発営業もSVも同様です。顧客や店舗の課題やニーズを正しく把握しているからこそ、
顧客にとって魅力的で有益な提案が可能になります。
仕事では、毎日様々なレベルの問題が降りかかってきます。
現実把握力は、そういった1つ1つの問題に真摯に向き合う中で次第に身に付いていくのです。
リーダーになったら、現実把握力を磨くことを意識して下さい。
そして、リーダーは部下の弱い部分や出来ない部分ばかりを見ていては良い組織構築は出来ません。
部下の良いところ、長所をしっかりと見極めて、得意な面を生かせる仕事を割り振りすることが肝要です。
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