「謹賀新年:部下育成」

2016年1月22日

『道経筆録』
~謹賀新年:部下育成~    WL代表 江口 歳春

新年あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申しあげます。

昨年の外食を取り巻く環境は大きな激動の年でありました。日本最大手のマクドナルド業績低迷が長期回復せず大量閉店、円安による食材原価高騰により多数の店舗が値上げを実施、大手居酒屋のワタミは昨年度に続き2年連続で大量閉店を行い、業態転換も急ピッチで進めている。
日本を代表する大手外食企業の低迷は会社解体にまで着手し、外食業界の景色を塗り替えております。また人材採用難による人員不足加速、訪日観光客インバウンドの増大によるメニュー言語の対応等…。
残念ながらいまだに昨年の低迷業績、厳しい採用環境は継続しております。

特に私達にとって身近な問題としては人材不足採用難が大きな課題となっております。私は現代における人材採用については、概念を根幹から覆す発想が必要であると認識しており、海外も視野に入れた新しい採用スキームに着手しております。店舗の皆さんも従来の概念を変えて具体的に取り組む必要があると考えますが、何をすべきでしょうか?それは「今いるスタッフの離職率を大きく下げる」ことです。
店舗スタッフの退職理由は色々ありますが、大半は人間関係や、小さな不満の集積であり、「心と心のつながり」が特に大事なのです。そして部下人材育成を本気で行っていないことが原因となるのです。私は人材育成とは、親が子供を躾ける様に、その人に対する愛情の現れだと思います。しかし、正しい部下育成法について学んだことが無い方が多いと思いますので、今回は「部下育成に必要な7つの力」の要点を紹介させていただきます。

① 【会社理念共有力】
⇒様々な価値観を持った部下達を「一つのチーム」として結束させるためには「理念」が重要であるということを理解し、実際に自身で「理念」を体現する努力をしている。

② 【承認力】
⇒スタッフに「感謝」する「褒める」など相手を承認する力。思っているだけで言葉や行動に表していない店長が多い。

③ 【叱り力】
⇒「ことなかれ主義」にならず部下を「叱る」力。あくまでも叱るのであって「怒る」では無い。「叱る」のは相手の成長を目的としているのに対し、「怒る」というのは自身の怒りをぶつけることを目的としている。

④ 【リーダーシップ力】
⇒店舗(会社)から与えられた目標達成を前提に、部下個人の仕事スキルや個性を踏まえた上で個人目標を設定し、目標達成に向けた指導やフォローを行う力。

⑤ 【モラル力】
⇒身だしなみや仕事、お客様に対するスタンスに関して、自身の「ポリシー」を持っていること。またその「ポリシー」が会社のルールや理念とかけ離れていないこと。

⑥ 【指示力】
⇒「具体的な方法」や「期限DL」を設定した上で業務指示が出せる。また「丸投げ」ではなく「任せる」スタンスを持っている。「丸投げ」と「任せる」の大きな違いは「明確な指示」「的確なフォロー」が有るか無いか。

⑦ 【やる気引き出し力】
⇒部下に裁量を与えチャレンジさせ、失敗したら改善方法を一緒に考え成功したら褒める。何よりも自分自身が「イキイキと働いている姿」を部下に見せられているか。

上記7つの力が「部下育成」を行う上では重要なポイントになります。是非、皆さんの店舗職場でも上記ポイントを意識した指導や教育体制を構築していただければと思います。

お店を職場としてしっかりとオペレーションの基準を作り、周知徹底してもらうことばかりが人材教育ではないのです。「心と心」のつながりがあってはじめて、協力してくれたり、考えたり意見してくれたりするものであって、怒って人が動くことはあり得ません。今一度、地固め、チーム編成を行い、人間に対して時間をとらなければスタッフからもお客様からも信頼を得ることはできないと思います。

今年もより多くのお客様に感動と満足を提供し、お客様からの「ありがとう」を集められる店舗、会社創りに取り組んでまいります。海外の方々にも日本の旨いラーメンをもっと食べて楽しんでいただきたい。そして少しでも日本の良さを享受いただきたい。そしてスタッフの皆さんに、素晴らしい店舗の仕事を通じて、社会貢献と遣り甲斐感動をもっと感じて欲しいと思います。

本年もスタッフひとりひとりの前向きな取り組みをいただきます様、宜しくお願い申しあげます。


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