リーダーに必要な現実把握力
2015年3月5日
『道経筆録』
~リーダーに必要な現実把握力~ WL代表 江口歳春
今年も早いものであっという間に3月を迎えました。
この時節、多くの店舗では学生パートナーさんの卒業や新規採用に伴い、店長や責任者異動が発生します。
店舗責任者の店長や時間帯責任者、また本社における部門や部署責任者の皆さんにとって、
職場リーダーとして、1番必要なスキル(能力)をしっかりと認識することが大事です。
リーダーには様々なスキルが必要となりますが、1番必要なスキルは何でしょうか。
先日もある責任者に質問を投げかけた際に・・「リーダーシップ力と決断力」と答える社員がいました。
もちろん私もリーダーシップ力は非常に重要なスキルだとは思いますが、1番だとは考えていません。
1番重要なのは「現実把握力」だと思っています。
どんなにリーダーシップ力や決断力があっても、現実を間違って把握してしまったら、誤った判断でリードしてしまうことになるからです。
例えば、店長の不在時に発生したトラブルにおいて正確な情報ではなく間違った報告を現実として受けとめたり、
本部でメニュー改訂やオペレーション見直しを行う責任者が、店舗で発生している現実の課題把握を間違って認識していたりすると、
メニュー改訂や製作をすれば大変なミスに繋がります。会社のリーダーである社長は部門責任者からの報告を受けて戦略や戦術を決定しますが、
誤った現実を把握すれば重大なミスを招き時には会社が危険な状態になりかねません。
つまり、いくら果敢に決断しリードしても、間違った現実把握に基づいていれば、
間違った決断を行ない、間違った結果を招いてしまうわけです。
決断力を発揮する前にまず大切なのは、現実を正しく把握することです。
何か事態が発生するには、必ず原因があります。
その原因を正しく掴めさえすれば、解決策も出てきます。
つまり現実を正しく把握出来れば、正しい決断も自ら出来るようになるのです。
例えば「原価率が高い」という現実には必ず原因が存在しますが、
原因究明の前に、現実をしっかり把握し分析することで原因が究明出来ます。
現実を正しく把握する為には、考えられる様々な要因を整理分析した上で、本当の原因を探り出さなくてはいけません。
責任者が、ある業務をメンバーのうちの誰に担当させるか考えるときにも、
個々のメンバーのスキルや経験、得意不得意といった「現実」を把握出来ていなければ、適切な仕事の配置が出来なくなります。
店舗開発営業もSVも同様です。顧客や店舗の課題やニーズを正しく把握しているからこそ、
顧客にとって魅力的で有益な提案が可能になります。
仕事では、毎日様々なレベルの問題が降りかかってきます。
現実把握力は、そういった1つ1つの問題に真摯に向き合う中で次第に身に付いていくのです。
リーダーになったら、現実把握力を磨くことを意識して下さい。
そして、リーダーは部下の弱い部分や出来ない部分ばかりを見ていては良い組織構築は出来ません。
部下の良いところ、長所をしっかりと見極めて、得意な面を生かせる仕事を割り振りすることが肝要です。
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