「使命感と自立飛行」

2017年6月22日

『道経筆録』
「使命感と自立飛行」     WL代表 江口歳春

2017年5月1日~WL第26期新年度がスタートしました。
経営理念をより明確に、そして社員への認識補足、目指すべき目標を深めるため、今期より使命感(志)と私達の目標(夢)を掲げ、本社及び経営計画書に記載しました。
私達が日々、生き生きと仕事、人生を送ることができるベースにあるものは、お金でしょうか。お金を稼ぐために働き、収入を得て評価されることは遣り甲斐として必要不可欠ですが、遣り甲斐と同じく、人生において大切なことは、生き甲斐ではないでしょうか。生き甲斐は、生きる目的や、人様や世の中の為に役に立ち、自身が必要とされることであり、いわゆる使命感や志にあたります。
WL社員の使命感(志)~「全てのお客様に喜んでいただくこと」~
お客様に喜んでいただくことが社会貢献であり、自身の存在価値として、生きる目的と定義し創設しました。人様に尽くすことが結果的には、自身の喜びや仕事の充実感、生き甲斐を生むのではないでしょうか。

さて、新年度に際し、新卒社員の入社もありました。
先日あるエッセイを拝読し、現代社会における働き方、育成から自立飛行についての気付きをいただいたので、私なりの解釈をお伝えしたいと思います。

学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。自学自習という言葉こそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものであり、自力では飛び上がることはできない。 学校はグライダー人間の訓練所である。自力で飛び立つ飛行機人間はつくらない。学校では、ひっぱられるままにどこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反となる。

WLという会社組織においても似たような現象が見られます。新入社員は、上司先輩から指導を受け従順にチェックされ成長します。やがて、指導を受けることが当たり前となって、完全な受け身体制に変容します。初期学習において、学び真似ることは非常に優良な成長方法であるが、入社3年を経ても未だに会社から教えられる指導学習を期待し、自分の知恵をつかって力強い成長、自立を目指すことが少なくなってきています。教えていただく受け身が自己成長を蝕み、前向きな人生創造することを忘れているのです。

「何故、こんなことができないのか?」
「教えていただいていないので・・・」
グライダーは誰かが引っ張ってくれて飛ばす手助けをします。飛行機は自力で飛び立つのであり、そこには大きな相違があります。他人のことと笑っていられるだろうか? 自己目標達成も同じことであり、どうすれば達成できるのか、改善できるか教えていただいていないからできないと思っている管理者はいないでしょうか。販促計画立案、メニュー考案等においても同様です。上司からの指導を待っており、指導されていないからできないと考えていないでしょうか。
目標達成計画書、改善改革計画立案も作成できないのは、グライダー人間と同じです。
 
 人間には、グライダー能力と飛行機能力があります。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者です。両者は一人の人間の中に同居しています。グライダー能力をまったく欠いていては、基本的知識すら習得できません。何も知らないで独力で飛ぼうとすれば、どんな事故になるか分かりません。
 しかし、現実にはグライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるでなし、という人間がたくさんいることも確かです。
 学校はグライダー人間をつくるには適しているが、飛行機人間を育てる努力はほんの少ししかしていないように思います。学校教育が整備されてきたということは、ますますグライダー人間を増やす結果になりました。

会社は授業料をいただいて教えるところではなく、社員に生産性対価に対して給料を支給しているのであり、会社貢献する場です。自立飛行能力は必須スキルであり、報連相と会社ルールの中で自分で考え、自分で飛ぶことのできる社員を人財と定義しています。
生き甲斐の追求は、飛行機人間と重なるのではないでしょうか?
お互いに似たようなグライダー人間になると、グライダーの欠点を忘れてしまいます。知的、知的と言っていれば、翔んでいるように錯覚してしまいます。


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