「四国八十八カ所 第85番~88番札所 結願」
2009年8月24日
2009年8月22日 お遍路の旅
昨年の9月21日より、家内と二人で「反省と感謝、祈願の巡礼」として始めた「四国八十八カ所の旅」もいよいよ本日で結願となります。これまでの1年間、仕事や家庭の都合、体調不良など色々とありましたが、夫婦で一度も休まず、遂に予定通り、本日15回で最後の八十八番を迎えることとなりました。本日無事に終えると夫婦揃っての結願となります。
家内は、一昨日より体調を崩し高熱により仕事を休んでおり、新型インフルエンザを心配しておりましたが、お陰様で夏風邪ということで昨日の静養で大分良くなりました。本日のお遍路の参加を懸念しておりましたが、熱も下がり大丈夫ということで、今朝は5時過ぎに起床し、慌しく荷造り準備し飛び立ちました。自宅を出る時には、中粒の雨が落ちておりましたので、傘を積んでマイカーを奥屋へと急ぎました。
奥屋パーキングエリアに到着した私達は、サンドイッチを頬張り、バスに飛び乗りました。
第85番 八栗寺(やくりじ)
見慣れた瀬戸大橋を渡り、高松に入った時には、雨はすっかり止んでおり曇り空でした。
八栗寺は前回御参りした屋島の東側、五剣山の中腹にありますので、「ケーブルカー」に乗り換えて登ります。
127人乗りの大きなケーブルカーで、片道約4分程度で到着です。
途中で下りのケーブルカーとすれ違いましたが、とても早いスピードに驚かされました。
途中のお土産店では「招き猫」が、ガラス越しにびっしりと並べられておりましたので、思わず条件反射で写真に納めました(いつもながら困った猫バカ癖は病気です)
お寺に着く途中で、「五剣山」をしっかりと眺める展望場所がありました。壮大な連山から力強さが響く様に伝わってまいりました。遠くには、ぼんやりと屋島の影が見えました。
本堂の背後は剣のようにとがった峰と断崖絶壁で、山岳修行場であったことを彷彿させます。明るい境内は、四季の花が豊富な様子が写真パネルで紹介されていました。
第86番 志度寺(しどじ)
志度寺は、香川県東部にある志度湾に面して建っております。昔の風情が残る志度の町に、番外霊場の地蔵寺があります。
すぐ近くには、江戸時代の学者で著名な「平賀源内」の旧邸とお墓があります。遺品館もあり郷土の異才人にあらためて興味を覚えました。各地で著名人のお墓に出会えます。
重要文化財となっている仁王門の入り口に立つと静まり返った緑あふれる境内。
朱塗りの五重塔や、本堂、大師堂など重厚な構えでした。
いつのまにか、曇り空は8月残暑の晴天に変わり、蝉の合掌も大きく響いております。
蝉の声と般若心経お経が重なり、残暑と一緒に巡礼旅の終を告げる趣を感じました。
本日で結願となる思いからでしょうか、般若心経を唱えながら、これまでの1年間の巡礼のお寺の景色や各地の想い出が巡ってまいります。
~ 昼食 ~
車で20分程移動した「大川オアシス」で昼食となりました。
駐車場のお庭には南国らしさの代名詞である、大きな「ソテツ」が並んでいました。
食事作法にて「ありがたくいただきます」
生醤油で食べる冷やしうどん、押し寿司、天ぷら「ご馳走様でした」
食事会場の大きな窓の向こうには、夏の青い瀬戸内海がパノラマに拡がっております。
遠くには小豆島が薄っすらと浮かんでおりました。
食事を終えて、売店で北海道牧場のミルクソフトをいただきました。
家内は何やら、お土産を買い込んでいた様子です。
第87番 長尾寺(ながおじ)
昼食を済ませ、駐車場に出ると、8月らしく積乱雲が元気よく高く昇っており、外気温もかなり上昇し暑くなってまいりました。額には大きな汗の粒ができておりました。
いよいよ巡礼も、残り2寺を残すばかりとなりました。バスを降りると、あと2か寺の遍路を惜しむ気持ちで、狭い歩道を一歩々踏みしめる様にゆっくりと長尾寺に入りました。
心の中では、あと2か寺で八十八寺のお遍路が完了し、いよいよ開放され結願という嬉しさと同時に、長い旅の終焉を迎える寂しさが交錯し、唱える般若心経にも最後の力がこもります。
仁王門と鐘桜を兼ねた山門を入ると、正面が重厚な屋根の本堂、右が大師堂です。
左右には2メートルを超える大きな「わらじ」が祭ってあります。
鐘桜門から見える本堂は堂々たる佇まいです。
四国には縁の深かった源義経ですが、義経没後の静御前の足跡が「静御前剃髪塚」としてこの寺に残っています。
静御前の母は讃岐小磯の生まれといわれ、静御前はその地に戻ったのでしょう。長尾寺で出家し、近くに小さな庵を結んで生涯を送ったと聞きました。
第88番 大窪寺(おおくぼじ)
ついに、夫婦で結願の寺、八十八番の大窪寺にやってきました。
結願は「けちがん」と読みます。
門前から石段上方に山門が見えました。
第八十八番結願寺、最後の山門と思うと、昨年秋から夫婦で毎月休まずに続けたこの1年間、巡礼の想い出がこみ上げ感無量です。1番札所の霊山寺住職の説教から始まり、これまでの様々な各人や寺の思い出が一気に脳裏を駆け巡ります。
「無事に早く終えたい」という思いと、「まだ終わりにしたくない」「もう少し続けてお参りしたい」安堵感と哀愁の思いが交錯します。
きっと家内の心中も「終えて楽になりたい」「引き返したい・・・」心が乱れているでしょうか。
茶屋横の門を入り石段を登ると、正面が本堂、背後には険しい胎蔵峰がそそり立っていました。本堂の中に「霊場結願所」と書かれた額があります。
結願のあとに奉納された、巡礼の金剛杖がたくさん奉納されていました。
境内で驚いたのは、四国の地で「広島原爆の火」石像が建立され、平和の火が灯されておりました。世界人々の幸福、そして世界平和を願い建立されたのでしょう。
最後の御勤め「般若心経」を、悔いの無い様にと心を込めて唱えました。
夫婦で元気に結願を迎えることを何よりも嬉しく思い感謝いたします。そして私を誘い、最後まで導いてくれた家内に心より感謝します。
昨年家内の誘い「二人で最後まで全部回ろう」のお陰様で、四国八十八ヶ所巡礼が結願できました。
最後のお礼を済ませ、お寺入口の茶屋売店で、遍路一同は待ち合わせとなっておりました。
お寺の入り口にある茶屋に到着すると、お接待の冷たいお茶をいただきました。
一緒に結願をされたお遍路それぞれの方が座敷に腰を下ろし、心地良い安堵の笑顔が溢れておりました。見慣れた顔がたくさんありました。色々とお世話様になりました。先達さんから一人ずつ名前を呼ばれ手渡しで「結願証」の交付となります。
私達の順番は遅くなりましたが「江口歳春、真弓様!」結願証をいただきました。
昨年9月よりスタートした、四国八十八カ所1200kmのお遍路が、本日で無事に結願となりました。これまで出会った多くの皆様方に感謝の念でいっぱいです。
走馬灯の様に、各地の1年が回想されてまいります。光陰矢のごとしです・・・・。
先達さんから教わった作法、山中の古い食堂でいただいた昼食のうどんとチラシ寿司、鰹のタタキ、高知の宿泊先から眺めた土佐湾の赤い夕陽、長い息の切れる急坂、辛く長い階段、徳島金時芋のお土産はたくさん買いました、河川沿いのガード下の凍てつく寒風で唱えた般若心経、1番所の霊山寺住職の説教、北風が身を切る寒冬の遍路、春の見事な桜吹雪、雄大な土佐湾に浮かぶ室戸岬、5月の雨に打たれた紫陽花、土佐清水の足摺岬、長い急坂が続く岩屋寺、ロープウェイ、猫グッズ、境内に咲く綺麗な花々、石像、仏像、古びた茶屋、地元のアイスクリン、お接待のお茶や押し花、連なる山脈、石鎚山、松山道後、わらじ、ロウソク、線香、仏像、山門、般若心経、家内の笑顔、掛け軸、朱印、お守り・・・・・。
9月には、一番札所霊山寺にお礼参りを済ませ、「高野山奥の院」を訪れてお大師様に報告のお礼参りに行きます。
巡礼のけじめとして、きちんと「お礼参り」を済ませ、四国八十八か所お遍路を満願とします。
雑談の中で、先達様より中国観音霊場(岡山、広島、山口、島根、鳥取)33カ所と、小豆島神社仏閣88カ所(弘法大師が修行された道場)を教えていただきました。
小豆島は交通便を考慮すると難題ですが、中国観音霊場には心が微動しましたが、少し休憩をさせていただき、家内と相談したいと考えております。
小豆島は今年10月に社員旅行で宿泊が決定しておりますので、その際にリサーチ予定です。
9月から11月の3か月間週末は、現在構成着手にあります私の書籍原稿作りに専念し11月末には原稿の書き上げ完了を予定しております。
著書のタイトルも今から考えますので、全く手付かずの状態です。
今年の中期経営計画会議の席上で社員に発表した「今年は書籍を1冊書き上げたい」の約束事を守らなければなりません。
書籍原稿が完了した後に、夫婦二人でゆっくりと中国地方を巡礼し、祈願御参りするのは、良さそうです。
「家内安全、家内健康、商売事業繁栄、社員成長幸福、業者繁栄」
四国八十八カ所 結願に心より感謝します 合掌!
カテゴリ:心の修行・四国のお遍路の旅日記