「四国八十八カ所 第79番~84番札所」

2009年8月11日

2009年8月1日  お遍路の旅 
 
7月下旬に入っても、いまだ梅雨が空ける気配も無く、今朝もどんよりとした黒く重たそうな雲がゆっくりと不自然に流れています。
自宅を出る時には、やや大粒の雨に変わり、傘を伴に出発しましたが、5分ばかり車で走り出した頃には、今度はフロントガラスから雨が消えておりました。
梅雨の終演を告げる、猫の目の様な天候です。
第83番 一宮寺(いちのみやじ)

仁王門をくぐると、いきなり蝉(セミ)の大合唱に迎えられました。大型スピーカーから聴こえてくる様で、とても大きく力強く響き渡っておりました。
小雨がパラついておりましたが、雨の中でも、蝉は元気よく鳴くことを初めて知りました。

鐘桜横のやぶ椿が、寄り添っていたのも風情がありました。
大師堂の御参りを済ませ戻り道に、お母さんと二人の子供さんが、小さな籐製の籠をもって並んで待っておりました。御参りのお遍路さんへの接待をするために並んでいたのです。
子供達が、それぞれ色の違う用紙を花ビラ形に切って、それに香りをつけた「香りしおり」の接待をいただきました。

 


 
小学校低学年の二人は、お母さんと一緒に一人一人に手渡ししておりました。
香り紙には「旅の途中、香りで疲れを癒して下さい」と書いてありました。

 


 
手作りの花形紙からは、「お遍路人の為に少しでも」との、人としての温かい思いが伝わってまいりました。
素晴らしく優しいお母さんの下で、優しい子供から立派な大人に育っていくことでしょう。
なかなか出来ません。少しでも利他の行いを見習いたいと反省しました。
心より感謝します、有難うございます 「合掌」

 

第84番 屋島寺(やしまじ)

屋島といえば、都落ちした平家と源義経の「源平合戦」で知られるところ。
香川県の代表的な観光地であり、午前11時前ですが、既に駐車場は県外ナンバーなどの自家用車で一杯でした。
仁王門、四天門とくぐると、正面は単層入母屋造りの本堂。朱塗りで軒下に見事な彫刻がしてあります。

屋島は、日本三大狸で有名なところです。大きな「石像の狸」がデ~ンと夫婦で並んでおり、右側にお母さん狸が子供を抱いて乳を与えています。こんな大きな狸の石像に出会ったのは、初めてです。

 

 

 多くのお土産売り場には、狸の置物や彫り物が多数売られています。

大きな「七福神の石像」が、きちんと7つ並んでおり、こちらも見事でした。

 


 
御参りを済ませ、慌しく写真を撮っておりましたら、私達の一行は頂上の方に向かっており、駆け足で追っかける様にして追いつきました。

 

 
 
屋島は「厄除け瓦」が有名で、この地を訪れた旅人は、頂上から眼下に広がる街並みを見下ろし、土で作られたお皿を力一杯投げるのです。私達も200円の厄除け瓦を購入し力任せに投げましたが、遠くに飛ばすのは難しいです。

 


 

帰り道の両脇に並ぶお土産売り場に、猫の置き物も多数飾られており、思わず反射的に足を止めカメラに収めました。

 


 

~ 昼食 ~

屋島観光地の土産売りレストランでのランチとなりました。
食事作法にて「いただきます」
冷やしうどんと弁当です。少し甘目の散らし寿司、魚味醂、だし巻き玉子、豆佃煮など、手造りの味を、本当に美味しくいただきました「ご馳走様でした」

バスに引き返す途中の土産屋に立ち寄り、屋島記念としてお土産を探しました。
手造りにより細い糸で丸く巻いた「珍しい手芸品」、そして置物の「夫婦狸」を買いました。

 


 

屋島寺は観光名勝の中にあり、見所がたくさんありました。

 
第82番 根香寺(ねごろじ)

仁王門には、左右に大わらじが飾られています。
本堂までは、自然石の石段を登ることを4回繰り返して到着です。
疲れ気味の身体で、少し足元がフラツキます。
薄暗いお堂には、20センチほどの観音様が祀られていました。その数、3万体以上といい、
荘厳な雰囲気です。
境内には、綺麗な草花があちこちで綺麗に色をつけております。

 


 

根香寺は、花の寺と言われる程、四季に様々な花を咲かせてくれるそうです。
今度機会があれば、晩秋か早春の草花に会える季節に訪れてみたいものです。  

 

第81番 白峰寺(しろみねじ)

寺の入り口は、五つの瓦屋根が高低に並ぶ珍しい形をした七軒門です。正目に護摩堂と納経所、右に客堂がありました。
本堂、大師堂は、手前右の石段を登りつめたところですが、途中に鐘桜、薬師堂、金堂があり、深山ならではの趣。参拝の醍醐味を味わいました。
それぞれのお堂には、十二支の「干支の石像」が設置されており、非常に珍しい光景です。

「猫おみくじ」というものがあり、猫の形をした小さな置物の中におみくじが埋め込んであります。思わず夫婦それぞれ仲良く手を伸ばしました。私は「吉」、家内は「大吉」でした。日本一可愛い猫おみくじは、記念品として自宅に持って帰り置物としました。

 

久しぶりに「金時芋」が売られていましたので一袋買いました。

 

 

第79番 天皇寺(てんのうじ)

天皇寺は、金山の東の山裾にあります。
参道を行くと、珍しい朱塗りの三輪鳥居が建っています。

 

 

中に入ると、正面にあるのは宗徳上皇を祀った白峰宮。天皇寺の境内は左側で、本堂、大師堂など堂宇がコの字に建っていました。入り口が二箇所あるので、向かって左側にある赤い鳥居からお寺に御参りする人が多い様子です。私達夫婦も鳥居を潜ってお寺に進みました。

いつの間にか雨はすっかり上がり、汗ばむ暑さに変わりました。
「般若心経」も、だいぶんと慣れてスラスラを唱えることがでできる様になりました。光明真言は暗記もできてまいりました。

 
第80番 国分寺(こくぶんじ)

国分寺には、建立当時のものと推定できる磁石が境内に残っています。点々とある33基の磁石は金堂跡といわれ、東西20メートル、南北14メートルの大堂であったようです。
全国でも珍しい大きな磁石です。
また、七重塔跡の磁石もありました。つり鐘は重要文化財に指定されています。
磁石郡のそばに鐘桜がありますが、これは県内最古の銅鐘です。

 

 

堀の石橋を渡ると、入母屋造りの立派な本堂。そこを進むと多宝塔の形をした大師堂になっています。
~ 御参り心得 ~

「同行二人」
私達は決して一人ではない。仏さまがいつも見守ってくれる。特にお遍路ではお大師さんがいつもいっしょに回ってくれる。なぜなら、お大師さんこそ苦悩してお四国遍路をした
人であり、その結果として誰でもが救われる道を開いた人だから。私はお大師さんに助けられ、また私は誰かを助けられれば幸いである。
同行二人は同行万人、世界平和へと広がる。

「修行と心得、愚痴妄想悪口は慎む」
ただの旅とは異なる修行である。何事が起こっても、怒らない、愚痴らない、ありもしないことを言わない。十善戒の如し。喧嘩しても良いがその日に謝って清浄心を保つ。懺悔と反省の旅である。
心は善を行なえば善に向かい、悪に堕せば悪に染まる。相互供養やお接待布施を行じて、人を信じ、人に守られる世界を修行して相互慈悲の世界を得る。
かなり疲弊したタオルハンカチで、額に滲んだ汗を何度も拭い、バス座席に滑りこみました。本日最後の「般若心経」おつとめを唱えながら、安堵感とお遍路旅の終わりを感じる寂しさを憶えました。
本日6か寺のお参りを終えて、昨年秋から始めた、私達夫婦の四国八十八箇所お遍路も、一番から始め、無事に八十四番までを終え、いよいよ結願まであと4か寺を残すまでになりました。
これまでに多くの方々との出会いや、お接待、各地のお土産、哀愁ある昼食、各地の想いで・・・よみがえります。
次回は、いよいよ四国八十八か寺の結願となりますので、夫婦で心を整え、皆様の幸福を祈念し「般若心経」唱えます。

 
                  本日の無事に感謝  合掌!


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