「四国八十八カ所 第71番~78番札所」

2009年7月20日

2009年7月12日  お遍路の旅 
 

早朝より梅雨の中休みと思われる、晴天に恵まれた行楽日和の晴れ渡る日曜日です。
気温の上がる7月のお遍路は、晴天よりも曇り気味の方が恵みなのですが・・・。
午前7時前ですが、すでに外気温が上昇し、厳しい暑さになりそうな1日のスタートです。
第78番 郷照寺(ごうしょうじ)

本日は、71番から78番までの8か寺を御参りの予定ですが、逆打ち周りで78番から始めて、71番を最後とすることになりました。

ここのお寺は、厄除けとして有名なお寺で「厄除うたづ大師」と呼び親しまれている大師堂は、いつも戸が開けられ、大師堂の前で読経ができます。天井には、綺麗な色彩で沢山の花の絵が描かれており、参拝を終えて暫く見入っておりました。100枚以上はあるのでしょうか。

 

 
 
大師堂の地下にある万体観音洞には、信者から奉納された1万体以上の観音像が整然と黄金色を放ち並んでいます。

 

 

 

冷気の中、生花や人形のお供えが独特な雰囲気をかもし出していました。地下入り口の上には、大きな観音像が金色に眩しく輝いて私達を見下ろしておりました。

 


 

第77番 道隆寺(どうりゅうじ)

本堂の左奥には、潜徳院殿堂があり、眼病平癒の「目なおし薬師さま」として知られています。眼病を患っている多くの方が、御参りに訪れるそうです。

 

 
 
また、本堂内陣には、厨子の中に秘伝の薬師如来像が安置され、左右には日光月光菩薩像、四天王像が祭られていました。
遠い昔に、家内の母親と目を患っている祖母を連れて、島根県の一畑薬師に御参りしたことを想い出しました。一畑薬師も「目なおし薬師」として有名です。

 

 
 

 

第76番 金倉寺(こんぞうじ)

弘法大師の姪の子である智証大師の誕生した寺です。旧道に面して仁王門があり、いまにも動き出しそうな姿の仁王さんが立っています。境内には、四国八十八カ所の砂を踏んで参ることのできるお砂踏み堂がありました。
大師堂のそばに、乃木稀典将軍の銅像が建っています。第11師団長として善通寺に赴任したとき、このお寺の客殿から馬で通っていたそうです。9月の第一土曜日曜日に乃木祭が奉納されるそうです。

 

 
 
時計はもう少しで12時を指しますが、日差しが一段と強くなり高い位置から太陽が眩しく、かなり暑く、暑い日差しの中を歩くのがかなり辛くなってまいりました。額からは汗がにじみ出し、身体は情けなくフラフラです。

 

~ 昼食 ~

暑さでフラフラの身体を休め、昼食となりました。
暑い時は、やはり冷たい麺が何よりです。食事会場は、大きな水車がたくさん、並んでいる会館です。

 

 

 
 
食事作法 ~ 「いただきます」 ~ 冷やし釜揚げうどん&炊きこみご飯を美味しくいただきました。「ご馳走様でした」食器を重ね椅子を入れて退席します。

  
第75番 善通寺(ぜんつうじ)

「お大師さん」と呼ばれている第七十五番札所の善通寺は、弘法大師生誕の地に建っています。大師の父佐伯善通の名前から号したとされる大寺院で、真言宗善通寺派の総本山です。さすがに大きく広大でこれまでの境内では四国霊場中では一番広いでしょう。諸堂も整っており、境内は東院と西院からなっています。とにかく広大な敷地面積です。

東院の南大門を入ると正面に重厚な雰囲気の金堂、右に立派な五重塔がそびえています。

 

 

左にあるのが、大師が生まれる以前からあるといわれる「大くす」の木が立っており、樹齢1200年以上と言われています。大師の象徴のように見えました。

 

第74番 甲山寺(こうやまじ)

甲山寺の10Kmほど先にある満農池は人工のため池。
弘仁12年(821)、大師は嵯峨天皇から、決壊した満農池の修築を命じられた。土木技術にたけた大師と、大師を慕う里人の努力が実を結び、奇跡的にも雑工事はたった3か月で完成した。日本最大の人工池だそうです。
天皇はこの成功をたたえ、大師に報奨金を与えた。大師はそれを資金として堂宇を建立し、四国霊場と定めたという。
寺号は、このお寺にある甲山が毘沙門天に似ていることからつけられたそうです。

 
第73番 出釈迦寺(しゅっしゃかじ)

境内を一段上がったところに、我拝師山をながめる遥拝所があります。そこに、弘法大師が7歳のとき、仏門の世界に入る決意をして飛びおりた拾身ケ獄について記した石碑がありました。幼年弘法大師の張り詰めた気持ちが伝わります。
谷底目がけて身を投げた。すると、天女が天くだりし幼い大師を抱きとめたという。
のちに大師は、この感激を新たにして一堂を建立し、四国霊場と定めたと言われています。

 

 

 
 
 
第72番 曼茶羅寺(まんだらじ)

出釈迦寺より曼茶羅寺には、山を下って徒歩10分程で到着しました。
仁王門を一礼し、くぐると振り返ると「大わらじ」が2足飾ってありました。高さ2メールもあります。

 

 

 
 
石造りの太鼓橋を渡ると、正面に本堂、右に納経所、左が鐘桜です。
午後からの日差しはとても強く、暑さで身体中が汗だくです。四国は広島よりもかなり、早い夏を迎えております。暑さの中、徒歩とバスの乗り降りを繰り返し、お経を唱えてのお遍路は、体力的にもかなりきついものがあります。
梅雨は空けていませんが、香川県では早くも「セミの合唱」が夏を演出しております。
まさに、夏のお遍路は修行に触れる思いです。

参考までに、各お寺のお参りの仕方、唱える読経の順序をご紹介します。
ろうそく1本を点す。線香3本を点す。収め札浄財を納めてから、お経を唱えます。
1.合掌礼拝 2.開経げを一ぺん唱える 3.般若心経を一ぺん唱える 4.各札所の本尊真言を三べん唱える 5.光明真言を三べん唱える 6.弘法大師の名を三べん唱える 7.回向文を一ぺん唱える 8.各自願い事を唱える 9.「ありがとうございます」合掌一礼して退去する。
一つのお寺で、本堂と大師堂で、それぞれ同じ要領で御参りしお経を上げます。
懺悔と反省の旅です。

 
第71番 弥谷寺(いやだにじ)

本日最後のお寺は、お遍路泣かせと言われる長い石段で知られている弥谷寺です。

 

 

 
 

 私の身体は水分補給しながらも、暑さでフラフラです。家内もかなり暑さでバテ気味で、赤い顔をしておりますが、私よりは元気そうです。
先達さんのお勧めで、途中までタクシーを利用して登ることにしました。タクシーを降りると残りの石段は278段となります。4人乗りで一人往復料金750円でした。

本堂は境内のいちばん奥、岩山に背をあずけるように建っています。その手前の岩壁に阿弥陀三尊像が刻まれていました。高さ1メートルほどの摩崖仏は、風雨にさらされ輪郭がおぼろげです。それでもはるかな時を超え、人々を見守っているようなまなざしを感じました。

 

 

 
 

階段をしばらく下りると右に大師堂があります。ここの大師堂は、靴を脱いで階段を少し上がる珍しいお寺です。お寺の中で、ロウソク、線香を点し、座ってお経を唱えました。少し疲れた私の足腰には、屋内に座ってのお経は嬉しかったです。
帰りの下り階段は、一段一段をかみ締める様に、八か寺の御参りを無事に終えた安堵感と充実感を感じながら、汗を拭きながら下りました。
麓の売店に到着すると、ご褒美にソフトクリームとスポーツ飲料を抱えて、バスに乗り込みました。
今回のお遍路で、何とか無事に第78番までのお寺参りが終わりました。残り10か寺を残すだけになりました。次回は8月の盛夏を迎えるお遍路となりますが、夫婦で健康に留意し、当初決めた予定を無事に御参り祈願を終えることを祈念して・・・・。

                        本日出会った皆様に  感謝合掌!


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