住みよい地域をつくる

2015年9月23日

弊社では毎月全社員が参加して、道徳について学ぶ場としてモラロジー勉強会を開催しております。
今回の勉強会は、「住みよい地域をつくる」という題材をもとにディスカッションを行ないました。

社員の皆様には、本題材の「地域」という組織集団に関して、それぞれ店舗や本社、
部署など身近な集団に焦点を置いてディスカッションして頂きました。
住みよい環境についてグループごとに発表頂いた内容を聴きますと、共通認識としては、
「自分のことばかり考えずに、誰かの支えになる行動をとる」、
「他人様のために何かを成し遂げたいという気持ちを持つ」など、
考え方として所謂、「利他の心」を示した内容が多く見られました。

一般的に「利他」という考え方は、自分のことよりも他人の利益・メリットを優先しようとする
心のことを示すようです。
しかしながら、本当に相手のことだけを考えて人間は行動できるものなのだろうかということですが、
私は今までの経験上、難しいことのように思えます。
だからこそ、今回の勉強会では「利他」の考えに波及し「自利利他」という考えに注目しました。

「自利利他」という考えを簡単に言えば、相手を思いやり、執った行動・言動が、結果として、
自分の利益に繋がるということです。
具体例を挙げると、献血活動への貢献や寄付、清掃ボランティアといった活動への参加は、
決して賃金や物品での見返りがある訳ではありませんが、
結果として自分自身が清々しい気持ちになり満足感が高まります。
このように、他人様のために執った行いが自分にとってのメリット、
すなわち幸福感へ繋がるという思想が「自利利他」の捉え方です。

今回のテーマを通じて更に社員へ、「本当の幸せとは何でしょうか」という点について
ディスカッションを行なって頂きました。
もちろん、明確に正解がある訳ではありませんし、世間には様々な価値観が存在することが前提です。
幸福を感じる瞬間について社員の皆様からは、「周りの人から必要とされた時」、
「物的な報酬というよりも、気持ちや心が満たされた瞬間」など様々な意見が発表されました。

私が目にした文献を引用しますと、人が幸せを感じるプロセスは大きく4つに分類されるといいます。
それは、「人から愛されること」、「人から褒められること」、「人の役に立つこと」、
「人から必要とされること」と、所謂、金銭や物品では直接、幸福には繋がらないということであり、
私はこれまでの人生において痛切に実感しております。

身近な例を挙げますと、家内の母は80代と高齢ではありますが、
私は敢えて依頼を伝えるようにしています。
日常の一部分ですが、料理が美味しかったからまた作ってもらいたいというものや、
庭園の野菜畑に雑草が生えてきているので一緒に綺麗にしましょうなど、
些細なことでも意識してお願いをするように心掛けています。

一般的には、「ゆっくり休んでいて下さい」、「何もしなくていいですよ」
といった声を掛けるものなのかもしれません。
こちらも年長者の方へ敬意を払った言動に違いありませんし、素晴らしい配慮だと思います。
それでは、何もしなくていいと言われた受け手の気持ちを考えてみましょう。
受け留め方によっては、「私は必要とされていない」と思い悩んでしまう、
そういった可能性もあるのではないでしょうか。

遣り甲斐という点では高齢者だけでなく、会社における社員、
そしてパート・アルバイトの方々も同様です。
だからこそ、私は母に対して毎日のようにお願い事をするように意識していますし、
ひいてはそれが生き甲斐に繋がると信じています。

今回のテーマである「住みよい地域をつくる」ということは、すなわち、
人から必要とされる環境の構築だと考えます。
各店舗においても毎日、社員そしてパート・アルバイト従業員の方々が営業に尽力して頂いております。
そういった従業員の皆様が喜びに溢れた表情をみせて下さるのは、果たしてどんな時でしょうか。

時給が上がった、上位職に昇格した、差し入れに缶コーヒーをプレゼントしてもらえた、
確かにそういった場合も嬉しいでしょう。
しかし私の考えではおそらく、従業員の方々が最も輝く瞬間は、店長や職場の仲間から、
「あなたがいてくれるおかげで、いつも最高の営業ができています」、
「あなたがチームメイトだから、今日も一日頑張れました」といったように、
目に見える報酬よりもきっと、そういった声掛けをして貰えた時ではないでしょうか。

職場そして家庭においても、お互いが相手を必要とし認め合うことで、
良好な人間関係、住みよい環境が醸成されるのです。

株式会社ウィズリンク
代表取締役社長 江口 歳春


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