飲食店成功要因vol.1~vol.6 記事一覧

飲食成功要因~vol.2【味】

2008年4月26日

前回は飲食店舗として成功する為の共通要件として、最大の外部要因である立地選定と、その商圏調査方法についてご説明しました。
今回は成功する飲食店舗運営の要の柱である、店舗内部要因となる「味」について、弊社ラーメン業態「ばり馬」について説明いたします。

まず最初に、飲食業態の成功を左右する最大要素は「美味しさ」にあると考えております。但し飲食業態の中には、味は重要ではあるが、システムや価格戦略を最優先するチェーンや立地特性の飲食業態も存在しております。

成功する「ばり馬」を誕生させるにあたって、「味」について次の3点をクリアし、同時に適正利益を計上できる業態の構築に注力しました。

■第一に、絶対に「美味しい!」と言わせる味を完成すること。
■第二に、均一した味の提供を可能とするシステムを完成すること。
■第三に、他店舗にない味で、差別化された味を完成すること。

では、以上の3点を完成させるに至った、ばり馬の辛苦話の一部を披露話します。
ラーメン店舗における最大の差別化要素は、「スープの味」にあると考えております。
テレビや雑誌で話題に上る行列ラーメン店を多く調査するにつれ、チェーン店舗で行列を作ることの難しさを痛感しました。人気店と呼ばれる店舗の共通点は、オーナー自身が入店し、自店で大きな鍋釜で時間をかけてスープを仕込んでいたのです。

現在もらーめん店は、チャーシュウや麺も重要なポイントではありますが、特にスープは店舗で極めて大きな特性をもつ要素となっており、差別化するには、オーナー様が自店で時間をかけて仕込んでいるのが大半です。そんな中で、ばり馬はチェーン店として上記の3点をクリアすることは至難の業でした。
チェーン展開するには、自店で毎日のスープ仕込みはできない。なぜなら、素人の店長やアルバイト従業員に、美味しいスープの仕込み業務を任せれば、必ずスープのブレが発生し、均一な味の提供ができない。では、大手らーめんチェーンの様に、加工されたスープを店舗に納品すれば、ブレは解消され均一な提供が可能になるのか。
確かに加工スープを工場で調合製品化し店舗供給すれば、均一な味の提供が可能となります(現在も大手チエーンの多くはこの手法を採用)が、大手の手法である抽出されたエキスのブレンドにより生まれた化学的スープは、それなりに美味しいのですが、やはり自然食材を釜から仕込んだスープと比較すれば、フレッシュ感、そして本来の風味に大きな差が生まれます。
当然ながら、「うまい!」とうならせるスープは完成しないのです。
最近では、これまでブランド力や料理人のマスコミ力で急成長してきた大手らーめんチエーン店の業績が停滞し、出店よりも閉店数の方が増加しているのは承知の通りです。
私は、相矛盾する難題を抱え、美味しいスープやタレを完成させる為に、2年近くの歳月と持てる全力を投下しました。やっとの思いで完成させ、新店をオープンさせましたが、その後もスープにブレが発生し安定せず、何回も研究試作を繰り返し、遂にブレ無いそして美味しいスープの提供を完成させたのです。

私は、自店でスープを仕込むのと同じ手法をベースに、電気のステン大釜で、天然の鶏肉骨、豚骨、野菜などを使用し、火力による鍋からの煮出し、骨ガラを濾す自然方式でスープを作成し、瞬間冷凍にて味を封じ込め各店舗にフレッシュなスープを供給する体制を構築したのです。火加減や、袋に詰める際に脂分が上部に浮くために不安定なスープが発生、ゼラチン部分と水の分離、濁り問題などを解決するのに、工場による調整を何度も繰り返し完成させたのです。
「打つ手は無限」です。現在は衛生完備の行き届いたスープ工場で多数の大釜を設置し、連日稼動し、各店舗様に安定供給を行っており、増産体制を構築しております。
他の大手らーめんチエーンとは差別化された、100%煮出しによるスープをFC店舗様に供給できることが大きな武器となり、昨年実績を超える店舗が多くみられます。
味へのこだわりと更なる追求は、製造材料原価や人件費との兼ね合いもあり難題ですが、飲食業態の繁栄は「美味しさ」の提供が全てであると考えており、これからも飽くなき中挑戦に取り組んでまいります。
ちなみに、ばり馬はメニュー改訂を行い、更なる楽しみを提供してまいります。
「さまよい続けて やっと見つけた 本物の味」ばり馬のキャッチです。

飲食業成功要因~vol.1【立地選定】

2008年4月1日

飲食業の収益業績を決定する大きな要素は、業態、立地、人材等、幾つかありますが、今回はシリーズで数回に分け私の考え、今までの経験から『成功要因』についてお話をさせて頂きます。

どうぞ是非最後までお付き合い下さい。

業態、立地、人材等、幾つかありますが、その中でも、特に立地選定が大きな鍵を握っており、ご承知の通り、飲食産業=立地産業であるとも言われる通りです。
立地選定の能力に欠けるFC本部や企業が多店舗展開すると、失敗する店舗が増加し、経営不振に至るパターンが見られます。

ばり馬本部では、業態コンセプト、商品力、運営力は当然重要なものですが、店舗展開を図る上で最も大きな失敗原因は、立地選定のミスにあると考えております。
チェーンストアオペレーションという言葉がありますが、店舗を円滑に運営する組織づくりが重要なのはいうまでもありませんが、根幹のノウハウは出店戦略にあります。
特にチェーン店は立地選定ノウハウしだいで、その規模が決定すると言っても過言ではないと考えております。

 

私たち、ばり馬本部が立地選定や売上予測をおこなう場合、どのような要因が売上に最大の影響を与えるかというところから調査し、売上予測値を算定します。
出店エリアは大きく分けて3つのパターンになります。
1、 ショッピングセンター等の大型商業施設に出店する場合
2、 繁華街や地下街などに出店する場合
3、 ロードサイドなど、単独店舗で出店する場合

現在のばり馬店舗の出店パターンは3番目の郊外ロードサイド店舗がその中心となっておりますので、今回は3番目の出店パターンについて、成功する出店ノウハウの一部を紹介したいと思います。

重要となる鍵は、遠視~近距離からの店舗の視認性、駐車場への出入り、店舗間口、店舗建物と駐車場の配置、商圏人口、店前車両交通量、同業競合店の各状況を調査解析します。
既存建物がある居抜店舗の視認性については、現行のポールや建物看板の視認性は悪くても、サイン看板設置の全面変更と訴求改善により、視認性を向上させることが可能となるかがポイントとなります。
一例を紹介しますと、

■倉庫事務所建物を全面改良し、大型看板及び大型ポール看板を設置し、年商1億円以上のらーめん店舗として成功。

■コンンビニ建物の外部看板を活用に、屋根上部看板をより高く変更、ポール看板を2箇所増設による訴求効果向上により年商1億円以上のらーめん店舗として成功。

そして、看板の文字は、可能な限り大きく、そして元気が伝わる手書き感で力強さを訴求することが大切です。
ばり馬本部では、同業態である不振らーめん店舗の看板等全面改装により、以前業態からの業績回復を多数成功させており、そのノウハウを享受していると自負しております。

次に、出店可否判断において重要度の高い、商圏人口と売上予測についてご説明します。
まず、出店する立地における商圏人口を正確に算出する必要がありますが、ばり馬本部では出店予定店舗より半径2km、3kmと言う様なアバウトな机上方法ではなく、実際の商圏エリアを把握する為、店舗から車で東西南北のメインとなる幹線及び生活道路を実際に8分かけて走り、8分エリア内からの人口を算出します。
当然店舗商圏地図は、円形にはならずかなり凹凸に変形します。その中で商圏の分断要因となる、河川、電車路線、山谷などは商圏をさらに狭くします。
商圏人口を算出した後は、その商圏内における他社らーめん店舗の集客店舗力及び店舗数の調査を行います。調査結果として一番の競合店はどこになるのか、そしてその店舗に勝つことが可能であるかについて検討の上でシェア率を算出し、店舗売上予測数値を算出します。
整理しますと、売上予測数値算出においては、らーめん業態のマーケットサイズ(国民一人当たりが年間で、外食らーめ消費する金額)に、先ほど足で詳細調査した商圏人口を当てはめて、商圏内における、らーめん外食に消費する年間総支出額を算定します。
次にエリア全体における年間支出総額の中で、ばり馬店舗がその中でいくらのシェアを確保できるかを算出すれば最終的な年間売上数値となるのです。

マーケットサイズと商圏人口より総消費金額を算出し、自社の実力を判定しそのエリア内におけるシェア率(他社競合調査など)を掛け、駐車台数、視認性、店前交通量を考慮し最終売上予測数値を算出しております。

出店に際しての課題提案も同時に提起させていただいております。
最終的な出店判断は、賃料及び希望エリアにおける物件確保難易度等を考慮し、理想立地からどれだけ妥協できるかが鍵となると考えます。理想立地のみを探し求めれば、難しいエリアにおいては、いつまで待っても物件確保はできず、商機を逃す場合もありますので、
成功店舗を出店させるためには、信頼できる商圏調査能力が不可欠となるのです。
現時点における、ばり馬本部の売上予測の的中率は、かなりの高精度と自負しております。

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