「感動の仲間作り」

2017年3月10日

『道経筆録』
「感動の仲間作り」  WL代表 江口歳春

同じ志をもつ人間づくりに必要なものは報酬であり、報酬さえあれば燃える集団ができるのだろうか?

店舗運営において、よく耳にするのが「優秀な部下やPNがいない」「店長と同じ思考ができる部下が欲しい」といった話である。
そんな部下やPNがどんどん採用できて育ってくれれば言うことないわけだが、そんなことはまずない。
そのような社員やPNが生まれてくる土壌は、その店舗の環境次第で決まる。

では、店舗の文化とはどこから生まれるのか?
適正な店舗理念を策定すれば、そのような人材が生まれるのか?
そういうものではない。

人に人格があるように店舗にも店格(店舗文化)がある。
人の人格とは長年にわたって周りから影響されて、自分自身の思考と解け合って生まれ出るもの。同じように、店舗の文化を創るのは、ハードではなく、ソフトであり、社員やPN一人ひとりの人格が解け合って創造されたものであり、「文化を創る」とはそういうことである。

社員一人ひとりの人格をつくり、一人ひとりが周りに影響する。その伝播する形(スタイル)や内包物によって本物の店舗理念が出来上がる。
一人ひとりの人格が文化に成るのではなく、影響しあってできた観念、思想などが文化となっていく。だからこそ一人ひとりが生み出す言葉や思想やアイデンティティーが重要になってくる。

掲げた店舗理念が「絵に描いた餅」と言う店舗がよくある。
『あなたの店舗は、何をする店舗なのか?』
ただ単に、らーめんを提供するだけの店舗なのか? それとも、明るい笑顔と一緒に美味いらーめんを提供し、お客様に身も心も満たされる喜びを提供する店なのか? スターバックスのようにサードプレイスを提供する会社なのか?
ただ単にお客さまを運搬するだけのタクシー会社なのか?
移動している間のお客様に最高のひとときを与えるタクシー会社なのか?
同じ業務や同じ業種でも、その発想、考え方によって会社や店舗というものは如何様にでも形を変えられる。

お客様との約束が店舗理念である。それに共感共鳴して集まってくる同志が本当の社員でありPNである。誰でもいいから採用するのでは同志足り得ないのである。
社員教育も大事だが、その前の採用はもっと大事なのである。店長の約束(理念)に賛同できるかが大きな鍵になる。店長は店舗運営に対する熱い思い、人生に対する理念を持ち、理念を熱く語らなければ人財となる同志は集わない。

私はウィズリンクという飲食企業を創業した時、一番力を入れたのが採用である。当時も飲食業に人材が集まらないから、経営理念そして店舗理念を作りそれを説いて共感共鳴する熱い人材を採用した。
飲食業ではなく「感動創造業」である。一緒に「人間づくり」をやっていくことを腹に決め採用を行っていると本物の同志が集まってくる。

私が店長当時のPN採用面接時には1時間以上をかけた。その大半は私が夢を語りながら自分でもワクワクしていた。そのワクワクに感化されて入社したメンバーはいつまでも辞めなかった。

お客様に喜んでいただくことが仕事の役割であり、喜びであり、社会から必要とされている実感なのである。
そんな感じの”燃える同志づくり”が、夢と感動ある店舗を創造する。


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